小宮光二氏によれば、かつてサティア・サイババは、仏教の「色即是空」に近い趣旨で「Everything is Nothing」と語っていたという。
今回は、物理学の「量子のもつれ」の観点から、「Everything is Nothing」を示したいと思う。
・量子のもつれとは?
2つの量子が、コインの裏表のように強い相互関係にある状態。
例えば、一方の量子が上向きにスピンしていれば、もう一方は下向きにスピンしているというような相互関係を持っている。
・量子ビットとは?
上記の量子のもつれに発想を得た演算単位。量子コンピューターはこれを利用している。
例えば、合計を10とした自然数の組み合わせを考えた場合、Aの値が下記の組み合わせの左側のように定まれば、Bの値は自ずから右側のように定まる。
A B
5→5
4→6
3→7
この量子ビットの考え方より、無限(Everything)のセットは必然的に無(Nothing)となる。
A B
無限大 → 0
0 → 無限大
このように、量子のもつれと同様に、無限(Everything)と無(Nothing)は表裏一体の概念であり、量子コンピューターの演算原理である、量子ビットからも「Everything is Nothing」を導くことができるのである。