最高の悟りを求めて、仏国土(9次元)からサハー世界への転生を繰り返し、生命進化の過程を歩む存在。
広義では、一般の比丘・比丘尼や阿羅漢も含まれるが、法華経では、とくに解脱して授記を受けて他の世界に転生したものたちを指すことが多い(独覚や声聞と区別して)。
菩薩は転生と成長を繰り返して、やがては如来となる(如来になるまでに7回転生すると言われる)
成長のプロセスで以下のような段階を経る(以下の菩薩の名前は、そのプロセスの象徴)。
①弥勒菩薩
「なぜ宇宙は始まったのだろう?」との問いを持つ。過去に授記を受けている。
②薬王菩薩
自分は法華経を広めることを過去に誓ったことを理解している。自らが「輝ける仏国土」からこの世界へ降りてきたという自覚がある。
③妙音菩薩(観自在菩薩)
過去に雲雷王如来(雷鳴のような偉大な音で語る如来)から授記を受けていることを理解している。多宝如来の「遺骨」を見る(過去・現在・未来すべての仏の集合体とは何かを理解する)ことにより、来世で如来となる決意を固める。なお、観自在菩薩は妙音菩薩を「観自在力を獲得した者」という別の視点で説明したものである。
④普賢菩薩
今生如来となることを理解している。弟子を取り、解脱させて授記を与えることにより自らも如来となる。なお、普賢菩薩も如来となる生涯の中で、弥勒→薬王→妙音→普賢という成長プロセスを経る。
上記の菩薩たちに象徴される成長プロセスを簡単に言えば、全能→全知全能→全知全能の育成というプロセスを経るということである。
なお、文殊菩薩は、法華経そのものを擬人化したものである。